インタビュー

高品質な分散投資サービスを提供するロボアドバイザー「THEO(テオ)」とは?(第1回)

株式会社お金のデザイン取締役COOスチュワートボックス マット 氏

撮影:マネーオール編集部

「THEO(テオ)」は、投資のプロが設計したアルゴリズムや下落リスク低減を図るAIなどを強みとして、投資初心者を初め幅広く人気を集める投資一任型のロボアドバイザーサービスです。今回のインタビューではTHEOを運営する株式会社お金のデザイン取締役COOのスチュワートボックス マット氏に、自社サービスの特長から、ロボアドバイザーサービスの将来の展望まで様々なお話を伺いました。(第1回)

株式会社お金のデザイン 取締役COO
スチュワートボックス マット 氏

イギリス出身、ケンブリッジ大学数学修士。1999年、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)に入社。2009年マネージング・ディレクター。科学的アクティブ株式運用部門にて、日本株式の銘柄選択モデルの開発・運用及び株式定量運用(クォンツ)全般を統括。東京大学大学院経済研究科にて日本経済の研究も行う。2018年3月お金のデザインに入社し、2019年3月に執行役員 投資プラットフォーム責任者、2019年12月に同取締役に就任後、2020年1月にCOOに就任。

「一般投資家に、機関投資レベルの高品質な分散投資サービスを提供したい」

(スチュワートボックス)最初に少しだけ自己紹介をさせてください。
私が株式会社お金のデザインに入社したのは2018年の3月で、現在はCOOとして、主に業務関係・運用・IT開発などを担当しています。

お金のデザインに入社する前は、18年間ブラックロックという運用会社でファンドマネージャーをやっていました。ブラックロック在籍中に廣瀬(お金のデザインファウンダー)と仕事をしていた事があり、廣瀬はブラックロックを退社してお金のデザインを設立しました。私はブラックロックを辞めた後、しばらく休む予定だったけれど(笑)、廣瀬や山辺(お金のデザインCEO)から面白い話を聞いて入社しました。

マネーオール編集部スチュワートさんは日本には何年くらい住んでいらっしゃるんですか?

(スチュワートボックス)僕は長いです(笑)行ったり来たりはしていますけど、全部足すと23〜4年くらいかな。

マネーオール編集部月並みな質問ですが、日本のどういうところがお好きですか?(笑)

(スチュワートボックス)イギリス出身の私から見ると、日本とイギリスの文化の共通点は結構ありますね。島国ということや、近い大陸に対しての長い繋がりとか、対アメリカの割と複雑な関係とか、似てるところがいっぱいありますね。私にとって日本はすごく住みやすいです(笑)

マネーオール編集部「ロボアドバイザー」というサービスを知らない方もいらっしゃると思いますので、簡単にどういったサービスかを教えてください。

(スチュワートボックス)THEOは機関投資家と同じくらい質の高いサービスを日本の個人投資家に提供しようとしています。テクノロジーを駆使してお客様の一人一人のニーズに合わせた資産配分、ポートフォリオを提供できる仕組みになっています。
仕組みは他社のロボアドバイザーに似ているところがありますね。最初はお客様にいろいろな質問に答えていただき、そこでお客様の運用のニーズや投資ホライズン、リスク許容度を予測した上でポートフォリオを提案します。

投資の手段は個別銘柄ではなくETFを使います。ETFのメリットは、少額でもきちんとした形で分散投資ができることです。個別銘柄だとある程度の金額がなければ分散したポートフォリオを作れませんが、ETFなら数万円で綺麗なポートフォリオが作れます。コスト面でも、売買コストや保有コストを考えるとETFの方が全然安いですね。現物の株式や債券の場合は、個人売買だと大きなコストが発生します。

お客様のニーズを理解して、できるだけ低いコストできちんと分散した、お客様が安心して投資を継続できるポートフォリオを提案する仕組みです。

マネーオール編集部THEOが提供しているのは「世界に分散する投資」という理解で良いでしょうか?

(スチュワートボックス)はい、そうですね。
特に日本の個人投資家のポートフォリオを見ると国内への展開が多く、日本国のリスクをそのまま取る形になっています。THEOのロボアドバイザーだと日本のホームバイアスを取らないでグローバルに投資できる。それによって全体のリスクを抑えることができます。

※ポートフォリオ:投資における安全資産と危険資産の最適保有率

※投資ホライズン:投資家が想定している投資期間

※ETF:証券取引所に上場している投資信託(Exchange Traded Fund)。少額で分散投資ができる等のメリットがある。

※ホームバイアス:ポートフォリオの中で、自国内の金融商品への投資比率が高くなる傾向

ユーザーの投資目的・理由に合わせて細かくカスタマイズされる、THEOのポートフォリオバランス

マネーオール編集部平均的なバランスとしては、どういうポートフォリオのお客様が多いのでしょうか?

(スチュワートボックス)THEOのポートフォリオの作り方は、他社とは若干違うやり方です。他社サービスの作り方を見ると、幾つかのパターンに当てはめる感じで、そのパターンの数も結構少ないところが多いですね。

投資の目的は大きく分けて3つあります。

1つ目は長期的な資産の成長「グロース」という目的。
リスクを取りながら、長期的にある程度高いリターンを目指すものです。それを達成するためのポートフォリオでは株式が多くなります。

2つ目の目的は、高い成長率より安定的な収益が欲しい。引退してる方などで、そこそこの成長は欲しいけれど、リスクはあまり取らず、月次の収益が必要といった目的です。
この場合のポートフォリオでは国債や社債などの債券が多くなります。その他ハイ・イールドやバンクローン系のETF、高配当の株式や優先株など債券に近い株式を中心にインカム中心のポートフォリオを作ります。

3つ目の目的は、今の日本ではそんなに心配はありませんが、将来の物価上昇、インフレーションに対してきちんとした形でヘッジを取りたい、といった目的です。
そういったポートフォリオでしたら、株式や債券ではなく実物資産中心になります。具体的な例ですと不動産やコモディティ、原油・金・銀などを中心に組みます。

あとはお客様のニーズによってポートフォリオの比率を決めます。例えば比較的若いお客様であれば、現在のインカムに対してのニーズはそれほどないかも知れない。そもそもそれほど資産を持っていないのであれば、インフレーションに対して大きな問題はない。この場合は、株式中心のグロースの比率が高くなります。

しかし年齢が高くなるにつれ、グロースの比率が減ってインカムの比率が増えます。例えば金融資産を多く持ってるお客様であれば大きなリスクを取る必要がない、かつ足元の入金や収益がある程度確保できていて、持っているものの実際の価値を守りたいのであれば、3つ目のインフレヘッジの比率が高くなります。お客様にいろいろな質問に回答をいただいて、それに基づいた形でポートフォリオを組んでいます。

※ハイ・イールド(債):信用度が低い分、利回りが高い債券のこと。ジャンク債ともいわれる。

マネーオール編集部なるほど。お客様の目的や年齢、保有している金融資産といったもの以外にはどういう変数があるんですか?年収など他の要素もあるんでしょうか?

(スチュワートボックス)年収は意外と使っていないですね。難しいです。年収が高い方だとリスクを取ってもいいけど、逆に取る必要がない方もいますから。
そういう意味ですと、年収はそのまま使っているわけではなくて、年齢と資産、あとは今現役で仕事をしているか引退しているかで大きく変わりますね、リスク許容度にも関わりますし。
このくらいのデータがあれば大体のお客様の投資目的や投資ホライズンを予測することはできます。もちろん他にも聞きたい質問はいっぱいありますけど、あんまり質問を多くすると回答してくれるお客様が減りますからね。

マネーオール編集部そうですね。平均すると幾つくらいの質問項目があるんですか?

(スチュワートボックス)今だと5個ですね。

マネーオール編集部例えば、同じ年齢で投資の目的を長期的に高いリターンとした場合でも、金融資産や現役かどうかといった内容によって、AIが自動的にポートフォリオを作成してくれるということですね。

(スチュワートボックス)そうですね。

マネーオール編集部わかりました。THEOのサービスを利用されている方は、海外のアセットをどのくらい持ってるんでしょうか?

(スチュワートボックス)グロースのポートフォリオの中の比率で見ると10%弱ですね。日本株の比率は指数とそれほどに変わりません。

マネーオール編集部そうすると基本的には世界の成長に投資をしているということですね。

(スチュワートボックス)そうですね。

【第2回】のインタビューはこちら

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